「問題が発生したため、暗証番号(PIN)を使用できません」ループとは?
- Windows11のシステムエラーにより、PINの再登録機能に不具合が発生している状態です。
- 「暗証番号(PIN)をセットアップする」をクリックしても無反応な場合、ネット接続やBIOSの問題ではなく、Windowsシステムの修復が必要です。
- 修復はセーフモード(ネットワーク) → コマンド修復 → システムの復元の順で進めると、データを消さずに直せます。
- 復元ポイントがない、または改善しない場合は、データの保護を最優先し、修理を検討する段階です。
- 所要時間の目安:セーフモード確認(約10分)→ コマンド修復(約20分)→ システムの復元(約30分)
| 対処法 | 所要時間 | 目的と効果 |
|---|---|---|
| 【対処法1】 セーフモード |
約10分 | 最小限の機能でWindowsを起動させ、PINエラーを回避してサインインできるか確認します。 |
| 【対処法2】 コマンド修復 |
約20分 | 「chkdsk」と「sfc」コマンドを使い、ファイルシステムやシステムファイルの破損を修復します。 |
| 【対処法3】 システムの復元 |
約30分 | トラブルが起きる前の正常な状態(バックアップ時点)にWindowsを戻します。 |
| 【最終診断】 修理 または 初期化 |
- | 上記で直らない場合です。データを守るなら専門修理、データ不要なら初期化を検討します。 |
| 【予防策】 設定変更 |
起動後すぐ | 「Windows Helloのみ」をオフにします。今後PINが壊れても「パスワード」でログインできるようにして再発を防ぎます。 |
Windows11のサインイン画面で、突然「問題が発生したため、暗証番号(PIN)を使用できません」と表示され、クリックしても元の画面に戻ってしまう(ループする)トラブル。
これは、PIN(暗証番号)そのものの間違いではなく、「PINを管理しているWindowsのプログラム」にエラーが発生していることが原因です。
「初期化しないとダメ?」「データは消える?」と不安になるかと思いますが、多くの場合は初期化せず、大切なデータを残したまま修復できますので、ご安心ください。
ITが苦手な方でも迷わず操作できるよう、秋葉原で15年以上の修理実績をもとに、データを守るための安全な修復手順を解説します。
** 目次 **


【対処法1】「セーフモードとネットワーク」で起動する
結論:まずは「セーフモードとネットワーク」を試してください。もし起動できれば【予防策】へ、PINエラーの場合は【対処法2】へ進んでください。
- この作業の目的:
通常モードでは「PIN」のシステムが壊れていてサインインできませんが、最小限の機能で動くセーフモードなら、PINエラーを回避して起動できることがあります。 - 作業時間の目安:
約10分。
手順1:Shiftキーを押しながら再起動
サインイン画面の右下にある「電源アイコン」をクリックします。
キーボードの「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリックしてください。
※「お待ちください」等の画面になるまでShiftキーは押し続けてください。
手順2:スタートアップ設定を開く
青い背景の画面(回復環境)が表示されます。
「トラブルシューティング」 > 「詳細オプション」 > 「スタートアップ設定」 > 「再起動」 の順に進みます。
※もし「BitLocker回復キー」を求められた場合は、必ず入力してください。
(参考:BitLocker回復キーの見つけ方)
手順3:F5キーを押す
再起動後に番号を選ぶ画面が表示されます。
キーボードの「5」または「F5」キー(セーフモードとネットワークを有効にする)を押してください。
診断ポイント:
- 起動できた場合:
【予防策】「Windows Helloのみ」をオフにする でパスワードでのログインもできるように変更してください。
これで通常起動でもログインできます。ログイン後、設定からPINを一度削除・再登録すれば修理完了です。 - 起動できない / 同じエラーが出る場合:
セーフモードでも回避できない深いシステムエラーです。【対処法2】へ進んでください。
【対処法2】PINでログインできないときのコマンド修復
結論:セーフモードでも改善しない場合は、CHKDSK → SFCの順でWindows11のシステム修復を試します。直らない場合は【対処法3】へ進んでください。
- この作業の目的:
PINが使えない要因の「ファイルシステム」と「システムファイル」のエラーをコマンドで修復します。 - コマンドプロンプト画面を開く手順:
先ほどと同じ手順で「Shift+再起動」を行い、「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「コマンドプロンプト」を選択します。 - 入力方法のポイント:
スペースも含めて半角です。コマンド入力したらEnterキーを押してスタートします。 - 作業時間の目安:
約20分。
Step1:Windowsの場所を確認(DIR)
入力: dir c:
画面に「Windows」や「Users」というフォルダが表示されるか確認します。
コマンドプロンプトの画面では、普段の「Cドライブ」が「D」や「E」に変わっていることがあります。
もし表示されない場合は、dir d: と入力して探し、正しいドライブ文字(CやDなど)を見つけてください。
Step2:ディスク修復(CHKDSK)。
入力: chkdsk c: /f
- Step1でWindowsがあった場所が「d:」だった場合は
chkdsk d: /fに変えてください。 - 「Y/N」と聞かれたら「Y」を押してEnterします。
- このコマンドはファイルシステムのエラーを安全に修復します。
要注意:カウンターが止まって動かない場合
- 【危険】HDDやSSDの機械的な故障が疑われます。
画面に表示されているカウンターの数字が、2秒以上、全く動かないタイミングがある場合は、無理に続けず右上の「×」ボタンで閉じて電源を切ってください。
これ以上負荷をかけると、データ救出もできなくなります。 - 参考: chkdskスピード 1秒間に2回はチェックしています。
- この症状が出た上で、修理も考えている場合は、これ以上いじらず修理依頼をするタイミングです。
「X:\windows\system32>」の行が表示されたら、chkdskコマンドの作業完了です。続けてsfcを実行してください。
Step3:システムファイル修復(SFC)
入力: sfc(スペース)/scannow
- Windowsのプログラムそのものに破損がないか検査し、自動で修復します。
- 「Y/N」と聞かれたら「Y」を押してEnterします。
- 「X:\windows\system32>」の行が表示されたら完了です。右上の「×」で画面を閉じ、「続行」で再起動してください。
【対処法3】システムの復元を実行する
結論:「前回使用日」と「復元ポイントの日付」が一致する場合のみ実行してください。もし復元ポイントがない場合や日付が一致しない場合は、最終診断へ進んでください。
- この作業の目的:
コマンド修復でも直らない場合、トラブルが起きる前の正常な状態(バックアップ時点)にWindowsを戻して直します。 - 作業時間の目安:
約30分。
手順:復元ポイントを確認する
詳細オプション画面から「システムの復元」を選択します。
実行の判断基準:
- 日付が前回使用日と一致する:
解決策(正常なバックアップ)が準備されています。実行して修復してください。 - 日付が古い / 何もない:
解決策が準備されていません。無理に実行すると悪化する恐れがあるため、「キャンセル」して、最終診断へ進んでください。
※システムの復元を実行しても、保存してあるWordやExcel、写真などのデータは消えませんが、その日付以降にインストールしたアプリは消えます。
【最終診断】どうしても直らないときは
結論:セーフモード、コマンド、復元のすべてが効かない場合、標準のトラブルシューティングでは直せないエラーがWindowsに発生しています。初期化やパソコン修理が次の解決策になります。
ここまで紹介した方法は、Windows11に標準で備わっている「トラブルシューティング機能」をすべて網羅したものです。
これらで改善しない場合、難易度の高いトラブルだったと診断できます。
これ以上の深追いは危険です
「なんとか自力で直したい」とネットの情報を片っ端から試し、レジストリ操作などを無理に行うと、本来残せたはずのデータまで完全に消去されてしまうリスクがあります。
今後のアクションプラン:
- データが消えても良い場合:
悪化させる前に初期化を検討してください。 - データが重要な場合:
これ以上深追いせず、パソコン修理の依頼を検討するタイミングです。
このトラブルはデータを残したまま修復できる可能性が非常に高いです。
【予防策】もし起動できたら:「Windows Helloのみ」をオフにする
結論:PINが壊れても「パスワード」でログインできるように設定を変えて予防します。
今回のトラブルは、「PIN(暗証番号)しか使えない設定」になっていたことが原因で、PINが壊れるとループしてしまう状態でした。
もしWindowsが起動しましたら、緊急時に「パスワード」でもサインインできるように設定を変更しておきましょう。
設定手順
Windowsが起動している状態で、以下の手順でスイッチを「オフ」にしてください。
- 「設定」を開く
- 「アカウント」をクリック
- 「サインイン オプション」をクリック
- 「セキュリティ向上のため、このデバイスでは Microsoft アカウント用に Windows Hello サインインのみを許可する」のスイッチをオフにする
こちらの手順の画像は、スライドさせて確認してください。
この設定をオフにしてもセキュリティ上の問題はありません。
次回からサインイン画面に「サインイン オプション」という文字が表示され、PINが壊れてもパスワード(鍵のマーク)を選んでログインできるようになります。


よくある質問(FAQ)
Q.「暗証番号(PIN)をセットアップする」をクリックしても無反応です。故障ですか?
A. パソコン部品の故障ではなく、Windows内部の認証システムにエラーが発生している状態です。クリックしても反応しない(ループする)場合でも、この記事の修復手順(セーフモードやコマンド修復)で直る可能性が高いです。
Q.なぜセーフモードならサインインできるのですか?
A. セーフモードは必要最小限の機能でWindowsを起動するため、トラブルを起こしている「PIN認証プログラム」をスキップできるためです。
Q.コマンドプロンプトでデータを消してしまうことはありますか?
A. 今回紹介した「chkdsk(ディスクチェック)」や「sfc(システムスキャン)」は、エラーだけを直すコマンドであり、写真や書類などのデータを消すコマンドではないため安全です。
Q.すべて試しても直らない場合、修理に出すべきですか?
A. はい、強く推奨します。「セーフモードでもダメ」「コマンドでもダメ」な場合、Windowsの重要ファイルが深く破損しています。無理に初期化を試すとデータが消えるリスクがあるため、データが必要な場合は専門家への相談をご検討ください。

Author : 齋藤 実
こんにちは!秋葉原で対面のパソコン修理(2023年6月で15周年)をしておりまして、パソコンに苦手意識があっても安全にお試しいただけれるトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです。
ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。情報セキュリティマネジメント試験(国家試験)合格。
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