事例解説:アプリの更新が失敗して再起動ループの修復
- 症状
- ソフト更新後、「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」画面で停止し、起動しない(Win11 25H2以降はブラックスクリーン)。
- 原因
- 更新したソフトウェア(今回はウイルス対策ソフト)のドライバーファイル破損や不具合。
- 診断
- エラー画面の「失敗した内容」にファイル名(klif.sys)が表示。DISMコマンド等の検査ではWindows自体に異常なし。
- 解決策
- 回復ドライブのコマンドプロンプトを使い、原因ファイルを
renコマンドでリネーム(無効化)して起動させる。 - 注意点
- 通常は「システムの復元」が第一選択だが、エラーで復元できない重症例向けの対処法。
本記事は、ソフトウェアをバージョンアップした後、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルの修復レポートです。
画面には「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」と表示され、自動修復も効かない状態でした。通常、こうしたトラブルは「システムの復元」で直るのですが、今回はシステムの復元自体がエラーで動かないという重症ケースでした。
最終的に、当社のエンジニアがコマンドプロンプトを使い、エラーの原因となっていたファイルを直接無効化(renコマンド)することで、データを消さずに無事復旧させることができました。その一部始終を「事例研究」として公開します。
更新理由:2026年1月29日
修理内容はそのままで、注意点などを追記&手順書ではなく、実績ということが明確になる表現をAIで編集(ドキュメンタリー化)しました。
また修理したのはWindows10ブルースクリーンでしたが、Windows11ブラックスクリーンでも同様のエラー&解決方法です。情報の鮮度に問題がないことを確認しました。
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Author : 齋藤 実
こんにちは!秋葉原で対面のパソコン修理を行っております。この記事は、実際の修理内容をもとにした「修理日誌」としての事例紹介です。「これなら自分で切り分けできそうか」、それとも「修理に出したほうが良さそうか」。その判断材料として、この実録が役立ったなら幸いです。
ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。情報セキュリティマネジメント試験(国家試験)合格。
オレンジセキュアサービス株式会社 | 千代田区神田佐久間河岸70 第二田中ビル4B号 | 営業時間:8時00~20時00(予約制)年中無休 | 出張・持込み・宅急便 | PC修理・ウイルス駆除・データ復旧 | 法人定期保守


青や黒の画面で停止する原因の調査
*画像はすべて当社のPCです。お客様の画面を撮影することは一切ありません。
トラブルのきっかけは、ウイルス対策ソフトのバージョンアップでした。再起動後、上記の「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」画面でループし、Windowsが立ち上がらなくなりました。
通常、ソフトを入れた直後のトラブルであれば、システムの復元を使って「インストール前の状態」に戻すのが定石です。しかし今回は、復元ポイントへアクセスしようとしてもエラーが発生し、メンテナンス機能が拒否される状態でした。
そこで、USBメモリで作成した回復ドライブから起動し、コマンドプロンプトを使って「何が起きているのか」詳細な調査を開始しました。
Windowsシステム自体の破損チェック
システムの復元が使えない場合、「Windowsの重要なシステムファイルが壊れている(二次災害)」可能性も疑われます。もしシステム自体が壊れていると、部品交換や初期化が必要になる恐れがあるため、慎重に診断します。
まず、コマンドプロンプトで「dir c:¥ /a」を入力し、Cドライブの中身が見えるか確認しました。
次に、Windows Updateの状態を確認するため、「dism /image:c:¥ /get-packages」コマンドで検査を行いました。
これらの検査により、Windows自体は壊れていないことが分かりました。つまり、「たった一つのソフト(ドライバー)が、Windowsの起動を邪魔しているだけ」という状況です。
セーフモード起動の試行
特定のソフトが原因なら、そのソフトを動かさずに起動する「セーフモード」や「起動時マルウェア対策を無効にする」モードなら起動できる可能性があります。
しかし今回は、これらのモードを選択してもブルースクリーン(またはブラックスクリーン)に戻ってしまいました。これは、該当のソフトウェアがかなり深いレベル(カーネル)でエラーを起こしていることを意味します。
コマンドプロンプトを使った修復作業
本事例では klif.sys が原因でしたが、この修復ロジックは 失敗した内容(や What Failed:)に表示されるあらゆるドライバーファイル(.sys)に応用可能です。
調査の結果、エラー画面の下部に小さく「失敗した内容:klif.sys」と表示されていることが確認できました。これは特定のウイルス対策ソフトのドライバーファイルです。
システムの復元もセーフモードも使えないため、「コマンド入力で、このファイルだけを強制的に無効化する」という高度な修復作業を行いました。
これは ren(リネーム)コマンドと言い、ファイルの名前を書き換える命令です。エラーの原因となっている klif.sys の名前を klif.bk に変更することで、Windowsに対し「そのファイルは存在しない(だから読み込まなくていい)」と認識させます。
この処置を行った結果、再起動後に嘘のようにWindowsが正常起動しました。起動後、不具合を起こしていたソフトを正規の手順でアンインストールし、修理完了となりました。
【ご注意ください】
コマンドプロンプトでの操作は、一文字でも間違えるとWindowsが完全に起動しなくなるリスクがあります。
ご自身での操作に不安がある場合や、どのファイルを操作すべきか判断がつかない場合は、無理をせず修理をご検討ください。
ご自身で作業する場合の最終確認(セーフティネット)
本記事は実際の修復事例に基づいたレポートです。ご自身で同様の作業を行う場合、環境の違いやリスクを考慮する必要があります。作業前に以下の6点をご確認ください。
- 1. 回復ドライブ(必須ツール)
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回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。トラブルが起きてからでは作成できないため、会社やご家庭にある「正常に動作する別のパソコン」で作成する必要があります。
作成方法は 回復ドライブの作り方と起動方法 でご確認ください。 - 2. BitLocker(暗号化)の確認
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コマンド操作の途中でBitLocker回復キーの入力を求められることがあります。
不明な場合は スマホで回復キーを確認する方法 をご確認ください。 - 3. 復旧直後のバックアップ
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10分程度で直せた簡単そうなトラブルでも、実はシステムが不安定になっている「隠れ重症」のケースがあります。無事に起動したら、油断せずに最優先でバックアップを取ってください。
- 4. 部品故障(HDD/SSD)だった場合のリスク
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私どもは事前に専用機材で部品故障の有無をチェックしてから作業を行います。もしトラブルの真因が「HDDやSSDの寿命」だった場合、負荷のかかるコマンド修復作業は、壊れかけの部品にトドメを刺す行為になりかねません。
回復ドライブでの作業中に「異常に遅い」「フリーズする」などの違和感がある場合は、無理に操作せずプロにご依頼ください。 - 5. ドライブレターの違い
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Windowsがインストールされている場所は、通常「Cドライブ」ですが、回復ドライブ上では「D」や「E」ドライブとして認識されることがあります。
dir c:で中身が見つからない場合は、dir d:やdir e:も試して、Windowsフォルダが入っている場所を探してください。 - 6. ブルー・ブラックスクリーンの色
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Windows11 25H2以降、エラー画面の背景色が「黒色(ブラックスクリーン)」に変更されました。画面の色が違うだけで、エラーコードや対処法(コマンド操作)は従来のブルースクリーンと全く同じです。