オレンジセキュアサービス株式会社

初期化をするとBitLockerが無効になるパソコンがあります、ご注意を!

初期化でBitLockerが解除されることも……

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BitLocker暗号化が自動的にオンになるのは、パソコン部品がモダンスタンバイに対応していて、WindowsのアカウントをMicrosoftアカウントでサインインするという条件がそろったときと言われています。これはMicrosoftさんのWEBサイトもそうですし、パソコンメーカーさんのサイトでも公開されている情報です。

ところがモダンスタンバイに対応したパソコンでも、Windowsを初期化してしまうと、WindowsのアカウントをMicrosoftアカウントに設定しても、BitLocker暗号化がオンにならないパソコンもあります。

BitLockerは無料といえど立派な暗号化製品ですので、外に持ち運ぶようなパソコンでは必要性を感じている方も多いかと思います。初期化するとBitLocker暗号化がオンにならないパソコンもありご注意ください。

今回は、その確認方法と言いましょうか、Windows11/Windows10のHomeエディションでBitLockerがオンになるパソコンとならないパソコンの違いをレポートします。

ちなみに、Windows11/Windows10のProエディションは管理画面でBitLockerをオンにできるため、ここでの話は関係しません。Homeエディションのみの注意点です。

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*この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。秋葉原で対面のパソコン修理をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。

  1. BitLocker暗号化がオンにならない?!
  2. BitLocker暗号化が有効かどうかの確認方法
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作者の齋藤実の顔写真

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私は、パソコン修理を中心としたITサポートを秋葉原のオレンジセキュアサービス(2023年6月で15周年を迎えることができました)で行っております。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

BitLocker暗号化がオンにならない!?

BitLocker暗号化がオンにならないDELLノートパソコンの画像
こちらのパソコンを初期するとBitLocker暗号化をオンにできません

こちらのパソコンはWindowsの初期化と、BitLocker暗号化をオフにしてほしいということでご依頼いただきました。

ところがWindowsの初期化後に確認してみると……BitLockerは完全オフの状態でした。コマンドプロンプトで確認しても「暗号化は完全に解除されています」表示でした。

お客様は自宅で使っていて、BitLocker暗号化の必要性を感じないのと、BitLockerがらみの認証やトラブルが面倒ということで、あえて設定をオフにしてほしいということでした。しかし、BitLocker暗号化が必要という方にとっては、初期化して使えなくなるのは大問題です。BitLockerで暗号化されていると思い、安心して外に持ち運んでいるなんてケースもあるかもしれません。

Windows11/Windows10のProエディションは管理画面でBitLockerをオンにできるため問題ありませんが、HomeエディションはBitLocker暗号化が解除されてしまいますと、モダンスタンバイ対応パソコンでもオンにできません。

もしBitLocker暗号化が必要と考えている方がWindows11/Windows10のHomeエディションを初期化したときは、BitLocker暗号化が有効なことをぜひご確認ください。

BitLocker暗号化が有効かどうかの確認方法

Windows11/Windows10のHomeエディションでBitLockerをオンにするには、CドライブがBitLocker暗号化済みになっている必要があります。

初期化をして、BitLocker暗号化が解除されてしまいますと、モダンスタンバイ対応パソコンでもBitLockerをオンにできません。

それではCドライブがBitLocker暗号化済みになっているか確認してみましょう。

キーボードのWindowsマークとXボタンを同時に押してください。以下のメニューが表示されますので、ディスクの管理をクリックしてください。

キーボードのWindowsマークとXボタンを同時に押したときのメニュー画面
キーボードのWindowsマークとXボタンを同時に押すとこのメニューが表示されます

Cドライブが「NTFS(BitLockerで暗号化済み)」という表示でしたらOKです。WindowsのアカウントをMicrosoftアカウントに設定しますと、BitLockerがオンになります。

ディスクの管理画面でCドライブが「NTFS(BitLockerで暗号化済み)」という表示を確認している画像
CドライブがBitLockerで暗号化済みになっているかご確認ください

ちなみに、こちらのパソコンはこの記事用にWindowsをローカルアカウントで使っています。Windowsの設定はBitLocker暗号化がオフです。そのため、エクスプローラでWindowsの窓マークに南京錠アイコンが付いていません。

ディスクの管理画面でCドライブが「NTFS(BitLockerで暗号化済み)」という表示を確認している画像
WindowsのアカウントをMicrosoftアカウントに設定しますと、Windowsの窓マークにBitLockerで保護されていることを表現する南京錠アイコンが付きます

つまり、Windows11/Windows10のHomeエディションでBitLockerを使うには、CドライブがNTFS(BitLockerで暗号化済み)になっていて、WindowsのアカウントをMicrosoftアカウントに設定する必要があります。

そしてCドライブが「NTFS」だけの表示ですと、それまでBitLocker暗号化が使えていたパソコンでも使うことができなくなります。BitLockerが必要でしたら、Proエディションを購入されて変更したり、他の暗号化製品を使うしか方法がありません。