オレンジセキュアサービス株式会社

2025年6月のWindowsアップデート後に一部のパソコンが故障してしまった件について

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今回のWindows起動トラブルの概要について

2025年6月のWindowsアップデート後に一部のパソコンで故障してしまうトラブルが起きました。

うちで対応したパソコンの症状は、BIOS画面は開けるものの、回復ドライブといったOSから起動するとフリーズしてしまうというものでした。

また、パソコンによっては、メーカーロゴでフリーズしてしまい、BIOS画面すら開けないというパターンもありました。

初期化もできない深刻なトラブルでしたが、1週間も経たずに、修正のBIOSフラッシュがパソコンメーカーさんから配信されました。正常に動作するパソコンを他にお持ちであれば、そちらのパソコンでダウンロードできます。

*基本的に作業手順も公開されておりますので、作業されるときは、よくよくご確認ください。

いろいろと注意点の多いトラブルでして、以下の構成でレポートします。

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作者の齋藤実の顔写真

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この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。

秋葉原で対面のパソコン修理(2023年6月で15周年を迎えることができました)をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

BIOSとは

修正のBIOSフラッシュを行っている画像

BIOSは、パソコン部品を制御するためのプログラムです。

たとえば、法人ユーザーでしたら、BIOSでUSBをオフに制御されていることもあります。オフにしますとUSBを認識しなくなるため、データをUSBにコピーできなくなります(漏洩防止ができます)。

2025年6月のWindowsアップデート後に、回復ドライブからでも起動できなくなってしまったパソコンは、このBIOSの更新プログラムにエラーがありました。

ちなみに、BIOSはマザーボードというメインの基板にインストールされています。あくまでも部品を制御するためのプログラムですから、BIOSにエラーがあれば、パソコン部品は正常に動作できません。初期化もできなくなります。

解決方法は、最新の(エラーのない)BIOSをインストールすることです。1週間も経たずに、最新のBIOSがパソコンメーカーさんから配信されました。

BIOSの直し方について

BIOSの更新プログラムは、Windows上でインストールすることもできます。たとえば、パソコンメーカーのWEBサイトから最新バージョンをダウンロードしてきてインストールできます。

ただ今回のようにWindowsが起動しない状態になりますと、そのような方法でインストールすることができません。

この場合は、正常に動作するパソコンで、メーカーサイトから最新のBIOSをダウンロードしてきて、USBメモリにコピーします。そのUSBメモリを故障したパソコンで起動してインストールします。

ちなみに、BIOSリセットがマザーボードのボタン操作や放電でできる製品もあり例外もありますが、基本的にBIOSのバージョンを元に戻す方法が提供されていません。*元の状態にリセットして直すような方法はありません。

今回のようなBIOSの更新プログラムにエラーがある場合は、最新のBIOSをインストールして直します。

今回のトラブルから考えること

通常、BIOSの更新プログラムは、Windows上(Windowsが起動した状態)でインストールする形でアップされています。

そして今回は、BIOSの更新プログラムにエラーがあったため、起動しない状態からでもインストールできるBIOSがアップされました。

*表現を変えますと、提供する側のミスだったため、通常は提供されていないBIOSがアップされました。

もしBIOSの更新プログラムが配信されているWindowsアップデートで強制終了してしまいますと、今回のようなトラブルが起きてしまう可能性もあります。

今回は起動しない状態からでもインストールできるBIOSがアップされておりますが、通常はアップされておりません。つまり、簡単に直すことができません。

Windowsアップデートがなかなか終わらないときはすぐに強制終了せずに30分はお待ちください。

BitLockerの回復キーが求められたときは

具体的な原因がSecure Bootのエラーということで、最新BIOSのインストール後にBitLockerの回復キーが求めらるケースもあります。

*BitLocker回復キーの入力を求める画面が表示されない場合はこの作業が不要です。

ちなみに、BitLockerとはWindows11・Windows10なら無料で使える暗号化機能です。そしてBitLocker回復キーとは、暗号化を解除するための48桁の数字だけ(ローマ字はありません)の並びになります。

あえてオンにしている場合は紙やUSBなどにもBitLocker回復キーを保存できますが、BitLockerをオンにした覚えがないのになぜ?という場合は、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーがあります。実は、モダンスタンバイを搭載したパソコンで、かつMicrosoftアカウントでサインインしている(サインインしたことがある)場合は、自動的にBitLockerがオンになり、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーが登録されるという仕組みになっています。

BitLocker回復キーの入手方法は、BitLocker回復キーを確認する方法スマホ版 でご確認ください。

BitLocker回復キーの探し方がわかったものの、なかなかBitLocker回復キーが見つからないという場合は、BitLocker回復キーが見つからないときに確認したいポイントと事例 でご確認ください。