BitLocker回復キーが見つからないと初期化ができない理由について

Windowsを初期化する手軽な方法としまして、”このPCを初期状態に戻す”メニューがあります。ところが、BitLocker回復キーを入力せずに、”このPCを初期状態に戻す”を試しても失敗します。
*BitLocker回復キーが見つからないと初期化ができない、というのはトラブルではなくて、正常な結果であり、必ずそうなります。
その理由としましては、初期化するためのプログラムと、初期化の情報(パソコンによって年賀状アプリがインストールされていたり初期状態が違います)が異なる場所に保存されているためです。
- 初期化をするためのプログラムはWindows回復環境という、そもそもBitLockerの暗号化が施されておりません。そのため、BitLocker回復キーがわからなくても、プログラムは動作します
- 初期化の情報は、BitLockerの暗号化が施されております
BitLocker回復キーの入力を求める画面しか表示されないなら、回復キーがないと手詰まりなのかな……と実感できるかと思います。
しかし、BitLocker回復キーがわからなくても、プログラムのほうは動作します。”このPCを初期状態に戻す”メニューを実行できたりします。
ところが、初期化の情報は、BitLockerの暗号化が施されており、BitLocker回復キーを入力しないとアクセスできません。
そのため、”このPCを初期状態に戻す”メニューを実行できるものの、初期化の情報にアクセスできずエラーになり、失敗します。
BitLocker回復キーが見つからないと、”このPCを初期状態に戻す”を試しても失敗します。”このPCを初期状態に戻す”ではない他の方法で、初期化するしかありません(その方法を最後の章でレポートしております)。
回復ドライブで初期化するときの注意点について

一般的に注意点は、最後に書くものかと思います。
たとえば、対処法が回復ドライブということをまだ書いていないのに、回復ドライブで初期化するときの注意点、を先に書いてもピンとこないかもしれません。
ところが以下の3点は、知らないと損したり、勘違いしやすいワナだったりしまして、必ず知っていただきたいおもいから、対処法の前にレポートしております。
回復ドライブから初期化しますとデータは残りません
回復ドライブのデータを残す初期化を行ったのですがデータがありません。というお問い合わせが意外と多くあります。
回復ドライブを使った初期化は、必ずデータが削除されますのでご注意ください。
ちなみに、初期化の画面にはデータを削除することが記載されておりますが、警告画面までは表示しないため、間違いやすいのかと思います。
*データが重要な場合は、なんとしてでもBitLocker回復キーを見つけるしか選択がありません。
他の機種のパソコンで作成した回復ドライブでは初期化できません
回復ドライブからWindowsを初期化したところ、ブルースクリーン画面になり、Windowsが起動できません。というお問い合わせも意外と多くあります。
この次の章でレポートしております、初期化に必要なファイルをダウンロード&コピーして作成する回復ドライブは異なるパソコンでも作成できるのですが、通常の方法で作成した回復ドライブは異なるパソコンでは使えません。
たとえば、Surfaceで通常の方法で作成した回復ドライブを使って、Dynabookを初期化することはできません。
あくまでも、通常の方法で作成した回復ドライブ限定の話になりますが、厳密には同じSurfaceでも、Surface Go、Surface Laptopのように機種が違う場合は初期化できません。
ちなみに、同じ機種でしたら、他のパソコンで通常の方法で作成した回復ドライブでもエラーなく初期化できます。
Officeのライセンス情報が見つからない
BitLocker回復キーが見つからない場合に、Officeのライセンス情報も見つからない、というお話が多いです。
パソコンの製造メーカーによっては、回復ドライブを有料で販売してくれますが、Officeのライセンス情報が不明ですと、初期化してもOfficeが使えません。
Officeも新たに購入されるとなると、けっこうな金額になってしまいます。新たにパソコンを購入したほうが良かったということもあるかもしません。
もし回復ドライブを有料で購入される場合は、事前にOfficeライセンス情報の有無をお調べください。
BitLocker回復キーが見つからないときの初期化方法
BitLocker回復キーが不明ですと、”このPCを初期状態に戻す”メニューからWindowsを初期化することはできません。
これは初期化の情報がBitLockerで暗号化されており、BitLocker回復キーを入力しないとアクセスできないためです。
問題は初期化の情報でして、回復ドライブ(やインストールディスク)を入手して初期化する流れになります。回復ドライブには初期化の情報も含まれますので、初期化ができます。
ちなみに、職場でまとめ買いしているような、同じ機種のパソコンがある場合は、正常に動作する他のパソコンで回復ドライブを作成して初期化してください。
ここでは同じ機種のパソコンが”ない”という前提で、対処法をレポートしています。
回復ドライブのダウンロード
Suraface、HP、Lenovo、Panasonic、のパソコンは、メーカーのWEBサイトから、無料で、回復ドライブを入手できます。
*回復ドライブを作成するために、正常に動作するパソコンが必要になります。
たとえば、パソコン製造メーカーのサイトへアクセスして、zipファイルをダウンロードします。zipファイルに保存されているプログラムをUSBメモリへコピーして回復ドライブを作成します。
ダウンロードしたzipファイルに保存されているプログラムをUSBメモリへコピーする、という作業ですから、違う機種のパソコンを使って作業できます。
*もし他のパソコンがなくダウンロードできないケースは、当社のような修理屋さんにご依頼ください。
Windowsのダウンロード
DELL、マウスコンピューター、国内ショップブランド、のパソコンは、MicrosoftのWEBサイトから、無料で、Windowsの回復ドライブを入手して初期化します。
*回復ドライブを作成するために、正常に動作するパソコンが必要になります。
回復ドライブの内容は、Windowsのみなのですが、初期化後にWindowsアップデートを行いますと、そのパソコンに必要なプログラムが自動的にインストールされて初期化が完了します。
*もし他のパソコンがなくダウンロードできないケースは、当社のような修理屋さんにご依頼ください。
回復ドライブの購入
NEC、富士通、のパソコンは、メーカーから有料で回復ドライブを購入します。郵送で届きますので、手続きに他のパソコンは必要なく、スマホがあれば手配できます。
注意点としましては、Officeのライセンス情報が不明ですと、初期化してもOfficeが使えません。回復ドライブを有料で購入される場合は、事前にOfficeライセンス情報の有無をお調べください。
パソコンの修理
Dynabookは、回復ドライブを販売していないため、Dynabookへ修理依頼(有料)して、初期化してもらう流れになります。
注意点としましては、Officeのライセンス情報が不明ですと、初期化してもOfficeが使えません。修理される場合は、事前にOfficeライセンス情報の有無をお調べください。
まとめ
回復ドライブのダウンロード又は、Windowsのダウンロード、に該当するケースが一般的かと思います。特に海外メーカーのパソコンはどちらかだと思います。
回復ドライブの購入、パソコンの修理、という方法は、国内メーカーだけかと思います。
これらの作業方法は、パソコンの製造メーカーによって変わります。
ちなみに、同じメーカーでも、販売した年や機種によって、作業方法が変わる場合もあります。
ここでご紹介していないメーカーもそうですが、よくわらないときは”自分で初期化できないのですが、どのようにすれば良いでしょう?”みたいな感じでメーカーへお問い合わせください。
*トリセツがWEBサイトで見られる場合もありますので、スマホで確認されても良いかと思います。