オレンジセキュアサービス株式会社

自動修復を準備していますで電源が落ちてWindowsが起動しないときの修復方法

自動修復の後で電源が落ちます……

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Windows11/Windows10のパソコンの電源を入れると自動修復を準備していますのメッセージが表示され、しばらくすると電源が落ちてしまいます。もう一度電源を入れても同じことの繰り返しで……自動修復を完了させる方法はありますか?というご相談を受けることもあり、今回はその原因と修復方法がテーマになります。

ちなみに、同じ自動修復のトラブルでも以下の症状の場合は原因がことなるため解決方法も変わってきます。もし症状が違う場合はリンク先ページで解決方法をご確認いただければと思います。

この自動修復は、自分で自分を直す自己修復機能です。Windows11/Windows10に起動できないような深刻なエラーが発生しますと、自動的に「自動修復を準備しています」が始まり、そのエラーを直します。

もし自動修復中に電源が落ちて自動修復が完了しないときは、回復ドライブを作成しメンテナンスしてWindowsのエラーを直してください。

今回は、自動修復を準備していますで電源が落ちてWindowsが起動しないときの修復方法として、回復ドライブの作り方や回復ドライブを使ったWindowsのメンテナンス方法を以下の構成でレポートします。

  1. 自動修復を準備していますで電源が落ちる原因について
  2. 自動修復を準備していますで電源が落ちてWindowsが起動しないときの修復方法
  3. 万が一、お困りの時は…

*この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。秋葉原で対面のパソコン修理をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。

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作者の齋藤実の顔写真

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私は、パソコン修理を中心としたITサポートを秋葉原のオレンジセキュアサービス(2023年6月で15周年を迎えることができました)で行っております。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

自動修復を準備していますで電源が落ちる原因について

自動修復を準備していますメッセージが表示されている画面

自動修復は、自分で自分を直す自己修復機能であり、メンテナンスモードです。Windows11/Windows10に起動できないような深刻なエラーが発生しますと、自動的に「自動修復を準備しています」が始まり、そのエラーを直します。

多くのWindowsのエラーが自動修復で直りますので、自動修復を準備していますメッセージってなんだろう?と思っているうちに作業が完了し、何事もなかったかのようにWindowsが無事起動します。

そんな自動修復が完了できず、途中で電源が落ちてしまう原因は2つあります。パソコン部品のエラーと自動修復プログラムのエラーです。

  • パソコン部品のエラー
  • 自動修復プログラムのエラー

パソコン部品のエラー

パソコンを再起動するだけで解決できる「今だけ誤作動している」というトラブルがあります。もしパソコン部品が誤作動していれば、プログラムは正常に動作できないため、自動修復を準備していますのメッセージの後で電源が落ちるといった不具合がでます。

注意点としましては例外もありまして、いまだけ誤作動ではなく、パソコン部品の故障の可能性もあります。パソコン部品が故障している場合もプログラムは正常に動作できません。起動中に電源が落ちるなどの不具合がでます。

誤作動の解決方法は放電です。万が一、故障している場合は部品交換の修理が解決方法になります。

自動修復プログラムのエラー

Windowsのトラブルの影響で、自動修復のプログラムにも同時にエラーが起きてしまうトラブルがあります。このようなメンテナンスプログラムにもエラーが起きている現象はWindows7のときから珍しくなく、当社の実績ブログ では回復ドライブや回復ディスクといったUSB(DVD)版のメンテナンス機能で簡単に直ったケースもご紹介しております。

自動修復プログラムのエラーでメンテナンスできない場合は、回復ドライブを使ったメンテナンスが解決方法になります。

自動修復を準備していますで電源が落ちてWindowsが起動しないときの修復方法

この作業の概要

自動修復を準備していますのメッセージの後で電源が落ちる原因の切り分け方法はとても簡単です。パソコン部品にいまだけ誤作動が起きているケースでしたら放電で解決します。放電で解決できない場合は自動修復のプログラムにエラーが起きているか部品故障です。

回復ドライブに収録されているスタートアップ修復にはエラーがないため、放電でも状況が改善しないときは回復ドライブからのスタートアップ修復を試してください。ちなみに、回復ドライブのスタートアップ修復は自動修復のUSB版です。これで解決すれば自動修復のプログラムにエラーが起きていたということですし、放電&回復ドライブからのスタートアップ修復でも電源が落ちてしまうときはパソコン部品の故障です。

パソコン部品の故障が原因の場合は、修理されたり、新パソコンの購入が次の解決策になります。自動修復プログラムのエラーでしたら、回復ドライブでメンテナンスしまして、Windowsの起動トラブルを修復するのが解決策になります。

注意点としましては、回復ドライブでの起動に5分以上かかる、スタートアップ修復に30分以上かかる、システムの復元に3時間以上かかる場合は異常でして、部品故障がその原因です。データが重要な場合はデータを壊してしまうような悪化させてしまう恐れがあり、強制終了してパソコンを休ませてください。

ここでご紹介するすべての作業にかかる最大の作業時間は5時間です。ここでは回復ドライブを使います。2GB以上の空のUSBメモリをご準備ください。それではWindows11/Windows10のトラブルを直しましょう。

  1. 放電してください。
  2. 回復ドライブを作ってください。
  3. 回復ドライブから起動してください。
  4. 回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
  5. 回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
  6. 回復ドライブのシステムの復元を実行してください。

放電してください。

放電している画面

パソコン内の電気をゼロにする放電を行ってください。

部品の誤作動は電源オフだけでリセットできるのですが、電源オフだけではリセットされずに誤作動状態を維持してしまうこともあります。これは時計でしたりBIOSで設定変更した情報を保持するためにCMOSというボタン電池を使っているためです。放電で電気を逃がしてあげて(完全な電源オフを行い)誤作動のない、正常な状態にリセットするのが目的です。

Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い?

一般論としまして、コンセントとバッテリー(ノートパソコン)を外すだけも放電作業になります。ただそれだけでは、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。

リンク先のページでは完全な放電をテーマに、パソコン修理で実際に行っているパソコン部品リセット方法を公開しています。

回復ドライブを作ってください。

回復ドライブを作っている画像

正常に起動するパソコンで回復ドライブを作ってください。

回復ドライブはUSBメモリで作成するWindows11/Windows10のメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。

回復ドライブはWindows11とWindows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。

回復ドライブの作り方は Windows11Windows10 でご確認ください。

回復ドライブから起動してください。

回復ドライブから起動している画像

正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。

回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。ちなみに、Surfaceは、音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押します。音量を下げるボタンは押したままにして、電源ボタンのほうは電源が入ったら離してください。

その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC富士通東芝LenovoDELLHP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。

回復ドライブからの起動後に、もしBitLocker回復キーの入力を求めてくる場合は、BitLocker 回復キーを確認する方法 でBitLocker回復キーを入手してください。BitLocker回復キーの探し方がわかったものの、なかなかBitLocker回復キーが見つからないという場合は、BitLocker回復キーが見つからないときに確認したいポイントと事例 でご確認ください。

回復ドライブでの起動中に電源が落ちてしまう場合の残る原因は、パソコン部品の故障です。修理されたり、新パソコンの購入が次の解決策になります。

回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。

回復ドライブのスタートアップ修復を実行している画像

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかどうかご確認ください。

回復ドライブからの起動後に、「Microsoft IME」、「トラブルシューティング」とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に「スタートアップ修復」のボタンがあります。次に「Windows11」、「シャットダウン」とクリックして完了です。再起動してWindows11の起動トラブルが改善していることをご確認ください。

詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。

回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。

回復ドライブのコマンドプロンプトを実行している画像

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。

本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。

そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。

ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。

Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究

こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。ブルースクリーンなどのWindows起動トラブル全般が対象になり、今回のトラブルも対象です。

回復ドライブのシステムの復元を実行してください。

回復ドライブのシステムの復元を実行している画像

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。

システムの復元とは、Windows11のトラブル全般で役に立つメンテナンスのひとつです。システムの復元は復元ポイントというバックアップ時の状態にプログラムを戻します。エラーを起こす前の正常なプログラムに戻りますのでトラブルが解決するという仕組みです。

基本的にOKや次へというボタンをクリックするだけですが、1点だけ選択があり判断が必要になります。もし複数の復元ポイントがある場合は、若い日付(一覧の上から順に)を選択してください。ただし、トラブルが起きた日よりも古い日付の復元ポイントがある場合ははじめからその復元ポイントを使ったほうが良いでしょう。たとえば、1か月前から何か変だなと思いながらパソコンを使っていたなら(トラブルがそこからはじまっていた可能性大のため)1か月前より古い復元ポイントを使うみたいなイメージです。

詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。