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BitLocker”この回復キーでロックを解除できませんでした”の原因と対処法

この回復キーでロックを解除できませんでしたとは?

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BitLocker回復キーを入力しますと、無事、続行ボタンが有効になります。しかし、続行ボタンをクリックしても”この回復キーでロックを解除できませんでした”メッセージが表示され、画面が次に進みません。というご相談を受けることもありまして、その原因と解決方法が今回のテーマです。

ちなみに”この回復キーでロックを解除できませんでした”メッセージが表示される場合は、そのドライブのBitLocker回復キーではありません。具体的には、回復キーIDが一致しない、他のパソコンや他のドライブで使われているBitLocker回復キーを入力しています。そして解決方法は、回復キーIDが一致するBitLocker回復キーを見つけることになります。

このように概要としては単純な話なのですが……、ひとつしかパソコンを持っていないのに、回復キーIDが一致しないBitLocker回復キーが登録されているケースもあったりします。

そのようなBitLocker回復キーの仕組みを知らないと答えにたどり着けないケースも実際にあり、BitLocker回復キーの仕組みを織り交ぜながら、”この回復キーでロックを解除できませんでした”が表示される原因と解決方法をレポートします。

このページは、ご自身でBitLockerをオンにしていない、自分の知らないところでBitLockerがオンになっていたケースが対象になり、BitLocker回復キーがMicrosoftアカウントに登録されているという前提の話になります。

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*この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。秋葉原で対面のパソコン修理をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。

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作者の齋藤実の顔写真

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私は、パソコン修理を中心としたITサポートを秋葉原のオレンジセキュアサービス(2023年6月で15周年を迎えることができました)で行っております。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

この回復キーでロックを解除できませんでしたの原因と対処法

この回復キーでロックを解除できませんでしたの画像

正しいBitLocker回復キーを入力しますと、続行ボタンが有効になります。ところが、正しいBitLocker回復キーでも、回復キーIDが一致しない、他のパソコンや他のドライブで使われているBitLocker回復キーを入力してしまいますと”この回復キーでロックを解除できませんでした”メッセージが表示され、画面が次に進みません。

ちなみに、BitLocker回復キーには決められた法則と言いましょうか、計算して検証することができます。たとえば、160246と入力してみてください。”回復キーが正しくありません”や”下6ケタが正しくありません”といったメッセージが表示されます。そして計算上正しいBitLocker回復キーでしたら、他のパソコンや他のドライブで使われているBitLocker回復キーを入力しても、続行ボタンが有効になります。

回復キーが正しくありませんの写真
”160246”や”616230”と入力してください。あえて間違ってた数字を入力しますと”回復キーが正しくありません”や”下6ケタが正しくありません”メッセージが表示されます。

そして、”この回復キーでロックを解除できませんでした”が表示される、よくある間違いとしましては、DドライブのBitLocker回復キーをCドライブに入力しているケースです。

同じパソコンですとドライブラベルが一致します。しかし、CドライブとDドライブがあるような複数のパーテーションがある場合は、それぞれ異なるBitLocker回復キーが使われ、識別するために異なる回復キーIDが使われます。

Microsoftアカウントの画面
CドライブとDドライブなど一つのパソコンに複数のドライブがありますと、別々にBitLocker暗号化がかかるため回復キーが複数になります。

”この回復キーでロックを解除できませんでした”メッセージが表示されるときは、ドライブラベルと回復キーIDが一致するBitLocker回復キーを見つけて入力してください。これが対処法になります。

回復キーIDの画面
このドライブラベルと回復キーIDが一致するBitLocker回復キーをMicrosoftアカウントで見つけてください。

ちなみに、以下の記事はBitLocker回復キーの探し方や見つからない場合にできることなど、よくあるBitLocker回復キーのご質問にお答えしております。

知らいない回復キーIDが登録されています……

使っているパソコンは1台のみで、Microsoftアカウントに登録されているBitLocker回復キーも1つだけです。しかし、知らない回復キーIDが登録されています……というご相談を受けたこともあります。

BitLocker暗号化を再設定して、異なるMicrosoftアカウントでサインインしますと、このような現象になります。

たとえば、Windowsを初期化されたなどの理由で、BitLocker暗号化がオンオフ状態になりますと新しいBitLocker回復キーが再設定されます。さらに新しいMicrosoftアカウントを使ってサインインしますと、新しいBitLocker回復キーは新しいほうのMicrosoftアカウントに登録されます。

ちなみに、Microsoftアカウントに登録されているBitLocker回復キーは登録された後で更新されることはありません。古いほうのBitLocker回復キーは古いほうのMicrosoftアカウントに登録されたままになります。新しいMicrosoftアカウントでサインインしても、過去の情報が移行されることはありません。

Microsoftアカウントの自由度は高いです。共通のMicrosoftアカウントを複数のパソコンで使い回すこともできますし、ひとつのパソコンで複数のMicrosoftアカウントを使い分けることもできます(officeのライセンスとWindowsアカウントを分けるなど)。そのため、意図せずに、複雑な運用方法になっているケースも実際にあります。

そのような複雑な運用になっているケースもありますので、ドライブラベルと回復キーIDが一致しているBitLocker回復キーを探すということがとても重要なポイントになります。