「 Recovery 」の原因について
Windows10、8 の電源を入れると「 EFI システム パーテーション」にある Windows を呼び出すための設定( The Boot Configuration Data file )が読み込まれ、次に Windows のインストールしてある C ドライブにバトンタッチしてパソコンが起動します。

そして Windows のインストールしてある C ドライブへのバトンタッチが失敗すると「 Recovery 」画面を表示して停止します。このバトンタッチで失敗する原因としては、Windows を呼び出すための設定( The Boot Configuration Data file )に不具合が生じているケースがほとんどです。


この Windows を呼び出すための設定は C ドライブへバトンタッチするためだけの単純な設定であり、直すのはとても簡単です。「 Recovery 」トラブルの処方箋としては、「回復ドライブ」からの「スタートアップ修復」です。
ちなみに「回復ドライブ」とは、Windows の起動トラブルを解決するための自己修復機能です。正常に動作する Windows10 のパソコンで USB メモリに作成します。その USB メモリを「 Recovery 」エラーが起きているパソコンに接続してトラブルを解決します。
「 Recovery 」トラブルのあれこれと注意点
実は、この「 Recovery 」のような、Windows が読み込まれる前に発生するトラブルは昔からあって、それほど珍しいトラブルではなかったりします。
Windows XP 時代であれば「 NTLDR is missing 」などのエラーがあり、Windows7 では「 Windows ブートマネージャー」エラーになりました。このエラーメッセージの違いは、Windows の起動の仕組みが変わったためにメッセージも変わりました。Windows8 以降は BIOS から UEFI にハードウェアを含めて大きく変わり、エラーメッセージが「 Recovery 」エラーになりました。
そして Windows が読み込まれる前に発生するトラブルの原因ですが、ユーザーの操作ミスなどではありません。そもそも「 EFI システム パーテーション」はエクスプローラーに表示されず、ユーザーが保存されているファイルを削除したり操作ミスすることができないようになっています。この手のトラブルは昔から、パソコンが勝手にトラブルを起こします。
なお、大前提としては、Windows が読み込まれる前に起きているトラブルですが、それとは異なる珍しい原因もあります。たとえば、Windows のインストールされている C ドライブに異常があるために、C ドライブへのバトンタッチが断られてしまっているケースもあります( Windows 側にトラブルが起きていることもあります)。そのため、もし「回復ドライブ」からの「スタートアップ修復」で直らない場合は、「システムの復元」も試してみてください。
注意点としては、5 年以上お使いのパソコンは、故障の前兆(劣化中)でトラブルが起きている可能性もあります。その場合はトラブルを直しても、すぐに再発したり繰り返します。無事パソコンが起動したら、念のためバックアップを取ったりアプリのライセンスを控えたり、しばらく様子を見てください。
回復ドライブの作り方と注意点
ここでは Windows10 を例にしています。他のバージョンは、Windows8 回復ドライブの作り方、Windows7 システム修復ディスクの作り方 でご確認ください。手順を細かくレポートしています。
回復ドライブは USB メモリで作成します。トラブルが起きているパソコンで作成することはできないため、たとえば職場内や家族のパソコンで作成し、トラブルの起きているパソコンで使います。
注意点については、回復ドライブに使う USB メモリ内のデータが消去されるということです。保存してあるデータは事前にバックアップしておく必要があります。またうっかり違うメディアに作成してしまうことも考えられます。回復ドライブを作る際は、キーボードとマウスと回復ドライブ用の USB メモリの 3 点のみパソコンへ接続すると間違いがありません。
回復ドライブの作り方
キーボードの「Windows」ボタンと「 x(エックス)」ボタンを同時に押します。するとメニューが表示されるので「設定(N)」をクリックします。

「 Windows の設定」画面が表示されたら、検索ボックスに「回復ドライブの作成」と入力します。すぐ下に表示された回復ドライブの作成アイコンをクリックします。

「回復ドライブの作成」画面が表示されたら、USB メモリをパソコンへ挿して「次へ(N)」をクリックします。なお、「システムファイルを回復ドライブにバックアップする」のチェックマークは外します。それと USB メモリは初期化されるため、データを保存している場合は他所に移してください。また不要な USB メモリは外してください。

この画面が表示されたら、「次へ(N)」をクリックします。

この画面が表示されたら、「作成」をクリックします。

この画面が表示されたら、「完了(F)」をクリックし、トラブルの起きているパソコンで修復を試してみます。

「 Recovery 」で Windows が起動しない時の対処法
「 Recovery 」トラブルの処方箋は、「回復ドライブ」の「スタートアップ修復」と「システムの復元」です。
回復ドライブは USB メモリで作成します。そのため、回復ドライブを利用するときは USB メモリからパソコンを起動します。USB メモリからの起動方法はパソコンごとに異なり、購入時のマニュアルなどから調べられます。うまくいかないときはお使いのパソコンメーカーさんに電話で確認すると詳しく教えてくれます。このページは Windows10 での作業手順になります。他のバージョンは、Windows8 回復ドライブの使い方、Windows7 「スタートアップ修復が停止する、終わらない」の原因と対処法 でレポートしています。

Windows10 の修復方法
回復ドライブから起動すると「キーボード レイアウトの選択」画面が表示されます。この画面が表示されれば、回復ドライブからの起動に成功しています。この画面が表示されない場合はやり直してください。
「キーボード レイアウトの選択」画面が表示されたら「 Microsoft IME 」をクリックします。ちなみに日本語の入力が必要なケースでは「その他のキーボード レイアウトを表示」をクリックし、「日本語」をクリックします。今回は不要ですので「 Microsoft IME 」をクリックします。

「オプションの選択」画面が表示されたら「トラブルシューティング」をクリックします。

「トラブルシューティング」画面が表示されたら「詳細オプション」をクリックします。

「詳細オプション」画面が表示されたら「スタートアップ修復」をクリックします。

「 Windows 10 」をクリックします。この次で修復の処理が始まります。自動的に処理が進み、終わるのを待つだけです。

スタートアップ修復が完了し「シャットダウン」、「再起動」といった画面が表示されたらクリックし、無事起動することをご確認ください。万が一、起動しない場合は以下の手順もお試しください。

上記手順で「詳細オプション」画面まで進みます。今度は「システムの復元」をクリックします。

「 Windows 10 」をクリックします。

「次へ(N)」をクリックします。

複数行ある場合はもっとも近い「日付と時間」をクリックし「次へ(N)」をクリックします。

「完了」をクリックします。

「はい」をクリックすると、システムの復元の処理が始まります。

この画面が表示されたら「再起動」をクリックし、無事起動することをご確認ください。無事パソコンが起動したら、念のためバックアップを取ったりアプリのライセンスを控えたり、しばらく様子を見てください。

その他の「詳細オプション」についてです。「コマンド プロンプト」はプログラムのようなコマンドを使って Windows を直します。起動トラブルを直すコマンドが数多く準備されているのですが、ITに精通していないと難しく上級者向けです。また「イメージでシステムを回復」はイメージという方法でバックアップしている場合に、こちらからバックアップ時の状態に戻せます。それと「スタートアップ設定」は、セーフモードなどの起動オプションを選択できます。セーフモードでの起動を試すのも良いでしょう。
